法律家のたまごの日誌

行政書士を取得するまでの体験記や、難しい法律を分かりやすく説明をするサイトを目指しています。

民法 制限行為能力者(1)制限行為能力者とは

私が今までで学んだ法律の解説を行ってみたいと思います。
今回は行政書士試験や宅建士試験など
多くの試験で出題範囲となる民法の中で
比較的最初に学ぶ「制限行為能力者」についてです。

 

制限行為能力者って何?

まず初めに、制限行為能力者とは何か?
それは、行為能力制限される人の事です。
と書かれても意味が分かりませんよね(笑)
「行為能力」ってなんだよ?って方もいらっしゃると思います。


「行為能力」とは

人が単独で有効な法律行為を行う事ができる能力

と定義されています。例を挙げると、
何か大きな買い物をする時や携帯などの契約をする際、
免許証や保険証などの身分証の提示を求められますよね?
あれは身元の確認もそうですが、年齢の確認も行なっています。
もし提示された身分証明で未成年である事が分かれば、
「保護者から同意書を書いて頂くか、保護者と一緒にご来店ください」と言われ、単独で契約等を行う事を拒まれる事もあります。

未成年者は保護者の同意を求められるという事は、
単独で契約等(法律行為)が出来ない。
つまり行為能力がないという事になります。*1

 

この「行為能力」という言葉が出てきましたが、
民法では◯◯能力と言われる物が3つ存在します。

3つの能力の種類

権利能力

相続などを受ける権利を持つ事ができる能力。
人が生まれた時から備わります。

意思能力

自身が行なった行為の結果を理解できる能力。
10歳ぐらいの子供に備わります。
余談*2

行為能力

法律行為を単独で有効に行う事ができる能力。
成年*3になれば備わります。

 

なお、成年という定義は例外があり、
一度でも婚姻した事がある者は以降成年として扱われます。*4
例を挙げると、18歳で婚姻し19歳で離婚したとしても、その者は未成年者ではなく成年として扱われます。

 

いかがでしょうか?
行為能力という言葉がなんとなく分かりましたでしょうか?

 

行為能力が分かった所で制限行為能力者とは?

話がちょっと横道に逸れてしまいましたので元に戻します。
制限行為能力者」とは何か?
行為能力が制限される者の事、
つまり単独で法律行為が出来ない人の事を指します。

民法では制限行為能力者は4つの種類に分かれています。
先ほど例に挙げた未成年者もそうですが、その他に
成年被後見人被保佐人被補助人があります。

 

次は未成年者、成年被後見人被保佐人、被補助人の
詳細を解説したいと思いますが、
長くなりましたので今回はここまでにしたいと思います。

 

まとめ&重要ポイント

今回の部分の重要なポイントは、未成年者の定義です。
20歳以下はみんな未成年者?
選挙権が18歳に引き下げられたから、未成年も18歳未満?
この辺りを判断できるようになれれば十分と思います。

*1:厳密に言うと単独で行える法律行為はありますが、詳細は未成年者の説明の時に書きます。

*2:遺言は満15歳以上で意思能力があれば行う事ができます。

*3:成年が18歳となるのは2022年4月以降です。それまでは今まで通り成年は20歳です。受験する年によって成年の定義が変わる事がありますのでお気をつけください。

*4:民法753条に定義されています。